削り節とは
削り節は節類や煮干しを削り機で薄く削ったものであり、節を削って加工することにより消費者が直接利用可能となる。
かつお節は、色沢、味、香りの点を考慮すれば、使用する直前に削ることが望ましい。しかし、家庭などで削る場合、適度な大きさと薄さに調整することが困難であり、粉末になる割合が高い。また、アジ、サバなどの小型の節類は肉質が脆く、家庭でこれらを削ることは不可能である。このため、一般消費者向けの節類は、削り節に加工された状態での流通・販売が主流になっている。
節の原料となる魚種は、カツオ、マグロ、ソウダガツオ(マルソウダ)、ゴマサバ、ウルメイワシ、ムロアジなどがあり、それぞれ、かつお節、まぐろ節、宗田節、さば節、いわし節、むろあじ節と呼ばれている。これら削り節は形状により、薄削り、厚削り、糸削り、砕片などがあり、JAS法により規格が定められている。

主な生産地
愛媛県、京都府、静岡県
生産と消費の動向
各種節類の中でかつお削り節の生産量が最も多く、全国生産量は2023年において 12,722tである。次にかつお節以外の削り節が10,368tとなっている。(2023年漁業センサス流通加工調査)
かつお削り節は、かび付けした枯れ節を削った「かつおかれぶし削り節」と、かび付けを行っていない荒節を削った「かつお削り節」の2種類があるが、全体ではかつお削り節の生産量が多い。なお、薄削りを砕いた砕片はかつお削り節を使用する場合が多く、小袋パックでの販売形態が主流である。
原料選択のポイント
脂肪分や塩分の少ない節が良い原料とされている。脂肪含量が高いと、削った時に粉末となりやすく、きれいな削り節にならない。また、削り節の色が脂肪の酸化により黄変しやすく、香りにも影響を与える。
節に含まれる脂肪の多寡を知る官能的な方法として、かつお節では節同士で叩いてその音で判別する、強く握って節の硬さにより推測する、節の表面に原魚の表皮が残っている場合はその浮き上がり状態で評価するなどがある。
加工の原理
冷たい節をそのまま削ると粉末の発生割合が高く、また削り節の形状も美しくならない。そこで、削り工程の前に節を蒸煮して適度な水分と温度を与えることにより、美しい削り節となり、さらに製品である削り節の水分も適切に調整される。
製造工程の概略

加工の実際
- 原料 かつお節などの節類やいわし等の煮干しを原料とする。
- 先浄 微生物や昆虫を含めた異物や夾雑物を洗浄により除去する。また、節に適度な水分を与える。
- 蒸煮 洗浄などにより水分を加えた原料に対して水蒸気で加熱することにより、硬く締まった節の組織を膨潤・軟化させ、原料内部の水分の均ー化を図る。製品によっては、蒸煮の代わりに遠赤外加熱方式の焼軟機が導入されている。
- あん蒸 蒸煮、放冷後一定温度で放置し、節表面と中心の水分を均ーにする。専用のあん蒸庫もしくは清潔な室内で行う。
- 削り 切削は、大規模工場ではほとんど自動化されている。切削機への投入も多くは自動投入装置が用いられている。
- 包装 袋内の酸素を除去するために、窒素などの不活性ガスを充填する。


製品の形態 包装等
現在では、混合削り節を含めてほとんどの商品で、ガスバリアー性や防湿性に優れた積層フィルムを使用した袋が包材として用いられている。袋内の酸素を除去するために、窒素などの不活性ガスが充填されており、脂質の酸化による変色防止に効果がある。また、削り節の商品特性である薄片の膨らみを維持するためにも有効である。
削り片の大きい削り節や混合削り節では、内容量が20~100gとメーカーによって異なるが、比較的大袋に入れて流通している。業務用では500gから1 kgと大きなものもある。かつお節削り節などの薄削りを破砕した砕片では、開封後すぐに使い切るのを目安に2~5gの小袋包装をしており、それを10袋前後にまとめてピロー包装としている。

(撮影:静岡県水産・海洋技術研究所)
IMG_0422-1024x768.jpeg)
(撮影:静岡県水産・海洋技術研究所)
食べ方
かつお類の削り節は古くから日本料理のだしとして利用されているほかに、各種料理にふりかけて食べられている。だしには薄削り及び厚削りが主に利用され、直接料理にふりかける場合は薄削り(砕片)、糸削りが用いられる。
さば節や宗田節の削り節は、濃厚なだしをとることができるため、そばつゆのだしに使用されることが多い。また、おでんや煮物のように濃い味が求められる料理にも適している。いわし削り節は、味、香りの点でややくせがあり、みそ汁のだしをとるときに利用されることが多い。
IMG_6748-1024x768.jpeg)
(静岡県水産・海洋技術研究所:山内 悟・二村 和視)
撮影協力
石竹水産株式会社
